アメリカの南北戦争(1861~1865)は兵器を急速に進化させた内戦でした。小銃では、開戦当初主流だった前装式管打銃(マズルロード・パーカッション)があっという間に元込式金属薬莢銃に移行し、単発銃から連発銃に主役が替わったのもこの戦争でした。
1860年にクリストファー・スペンサーが開発したスペンサー連発銃は、この戦争があったからこそ注目されたと言えます。7連発のスペンサー銃は、レバー操作で排莢装填し、ハンマーをコックして撃発準備完了する機構で、前装式銃から比べると10倍以上の発射速度でした。スペンサーがリンカーン大統領に試射させて、大いに気に入ってもらい、北軍に採用を約束させた話は有名です。
ただ、連発銃には同時期、ヘンリー・ライフルがありました。薬量がスペンサーの半分なので実戦向きではないと軽視されていましたが、16連発であり、レバー操作で排莢装填ハンマーコックを一度で行う機構は、多弾数速射を目指す近代銃への先駆けとなるものでした。やがて連発銃の主役はスペンサーからヘンリー、そしてウィンチェスターへと替わっていきます。
スペンサー銃は南北戦争後、余剰品が世界中に流れ、日本では戊辰戦争で官軍も幕軍も一部の人たちが使用しました。会津の闘いでは籠城した山本八重とスペンサー・カービンの話が2013年のNHK大河ドラマになりました。
KTWはスペンサーのカービン(騎兵銃)を再現しました。実銃資料を提供していただいた会津新撰組記念館代表の高橋一美さんに感謝いたします。設計はガンジニアのバレット石岡氏です。外部に設計依頼するのは初のことで、3D・CADで設計し3Dプリンターで試作したのも初の試みでした。量産製造はほぼすべてのパーツが金属ブロックからの削り出しで、大変高価なものとなりました。
【仕様】
全長:970㎜
重量:2.4㎏
口径:6㎜BB
装弾数:35発
機構:レバー式エアーコッキング
材質:鉄、真鍮、アルミ、ソフトメタル
ストック:アメリカンウォールナット
価格:¥185,000(税別)
平成26年2月発売
在庫なし
① バットプレートのマガジンエンドを右に90°回し、
② これを止まるまで引き出します。
③ 銃身を少し下げた状態で、トリガー前の給弾口からBB弾を1発ずつ入れます (最大35発)。
④ 親指をトリガー後ろのレバーにかけて、
⑤ カチッと音がするまでレバーを起こします。これでピストンが後退してシアにかかり、BB弾がチャンバーに上がってきます。レバーを戻すとシリンダーが前進しノズルがBB弾をチャンバーパッキンに押し込みます。
⑥ ハンマーを起こします。この位置は半分おこしたハーフコック状態で、トリガーをロックします。
⑦ 完全に起こしたフルコックで撃発準備完了です。トリガーを引けばBB弾が発射されます。
⑧ リアサイトを起こすとホップ調整穴があります。六角レンチ(附属)で右に回してホップ強、左で弱です。出荷前、マルイ0.25g弾(附属)で調整済みです。
マズル部。56口径(14㎜)です。実銃のマンストッピング・パワーは黒色火薬とはいえ、かなり強力だったでしょう。
銃床。先台とも米グルミのオイル仕上げで、実銃通りです。銃床内にはマガジン、ハンマー、トリガーの各機構が収まるため内部構造は複雑です。
シリアル・ナンバー。レバー後端の下部連結板(鉄製)にナンバーが刻印されています。000はASGK検査用で、この次の001から市場に出ます。今のところ205が最終品になる予定です。
フレームはアルミブロックからの削り出しです。黒アルマイト処理後、外側はメタリックの塗装をしています。
ピストンとシリンダーを保持するハウジング部です。これもアルミブロックからの削り出しです。
レバー、ブリーチブロック、ロッキングブロックの組み合わせ。支点が2か所あります。スラント・アクション(レバー・アクションとは異なるスペンサー独特のもの)と薬室閉鎖のロッキング動作を再現しています。
内部メカ。レバー操作でギアを介してシリンダーが後退し、ピストンがKTWアクション(三八式など)でシアにかかり、ハンマーが撃針(プレート)をたたいて内部のシアをリリースさせ、ピストンが前進して発射するメカニズムです。
[注意]
*インナーバレルの内径は公称6.01㎜です。使用BB弾には真球精度の高い信頼ある商品をお選びください。また、一度発射したBB弾の再使用は弾詰まりの原因となります。
*分解はしないでください。ネジひとつ間違えただけで故障の原因となります。どうしても分解しなければならないときは弊社にご相談ください。
有限会社ケー・ティ-・ダブリュ
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